ときわプロケア歯科クリニック
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あなたに伝えたい


博和会 ドクターによる「あなたに伝えたい」メッセージ集です。順次公開予定です。



歯科材料

歯科治療に使われる材料は安全?

歯科の治療の中でもっとも大きなウエイトを占めるのは虫歯の治療でしょう。

ご存じのように虫歯になって溶けてしまった歯質は再びもとに戻ることはありません。したがって歯の欠けた部分に人工の材料の詰め物をしたり、あるいは歯全体を細く削って金属の歯をかぶせたりする治療が必要になるわけです。

不幸にして歯を喪失してしまった場合は取り外しの入れ歯を入れなければなりません。また歯並びを矯正する場合も矯正装置をお口の中に入れる必要があります。

このように様々な人工材料がお口の中に入ってきます。これらの人工材料は大きく分けると、入れ歯や詰め物に使われるプラスチックの種類である樹脂、金冠や入れ歯のバネやフレーム・矯正用ワイヤーに使われている金属、入れ歯の人工歯や前歯のかぶせものなどに使われるセラミックスの三種に大別されます。

また樹脂とセラミックスを混ぜた複合樹脂と呼ばれるものもあります。これらの人工材料は歯科のみならず、人工関節、骨折の際の固定用プレートやボルト、心臓ペースメーカーなどの医療用生体材料として現在広く使われるようになりました。ではこれらの材料は私たちの身体にやさしいといえるのでしょうか?


環境ホルモン


最近「環境ホルモン」という言葉をよく耳にするようになりました。
環境ホルモンの正式名称は「外因性内分泌攪乱化学物質」と言います。これが身体の中にはいると、生体ホルモンと類似作用をする事により必要としていない時にDNA(遺伝子)を活性化してしまったり、また生体ホルモンの働きを邪魔することにより人体の内分泌機能を狂わせてしまいます。

その結果、生体の代謝・恒常性・発生の調節などの機能が侵され、様々な障害が起こってきます。

「環境ホルモン」といわれる化学物質は現在約70種類あり、代表的なものとして、DDTやPCB、ダイオキシンなどがあります。現在、環境ホルモンの特定やメカニズムについて世界中で研究されていますが、未知の部分がまだたくさんあります。したがって私たちが現在できることは、なるべく体内に環境ホルモン物質を取り込まないことです。では歯科材料の中に「環境ホルモン」といわれる化学物質は含まれているのでしょうか?残念ながら答えは「イエス」です。これは入れ歯や詰め物に使われる樹脂に含まれる「ビスフェノールA」という物質で、プラスティックの食器に含まれるものと同じものです。

 
もちろん日本では国(厚生労働省)の厳しいチェックをクリアーした材料だけが認可されていますが、たとえ微量とはいえ含まれているという事実に変わりはなく、口の中という過酷な環境でどう変化しているのかも現在研究中の域を脱していません。したがって樹脂に関しては現在のところ身体にやさしい歯科材料とは言いきれないようです。


金属アレルギー


金属アレルギー
金属は化学物質ではないので、環境ホルモンのような作用はありませんがアレルギーの問題があります。アレルギーはいろいろな化学物質、植物性・動物性物質、薬品、化粧品などで起こりますが、金属が原因の場合を「金属アレルギー」といいます。

金属はその特性上電気化学的、力学的や細菌学的などの作用により、金属がイオン分解します。金属イオンがタンパク質と結合し、それを生体が記憶します。そして次に金属イオンが訪れたとき、異物排除の作用を起こします。これが金属アレルギーです。

ダニやハウスダストなどが原因といわれているアトピー性皮膚炎のうちの数10パーセントは歯科治療に使われている金属が原因の金属アレルギーであるという報告もあります。現在歯科用合金ではさまざまな金属が使用されていますが、主なものを挙げると、アマルガム・金・銀・パラジウム・インジウムなどがあります。アマルガムという金属は、銀・スズ合金の粉末を水銀で練ったもので、加工しやすく比較的硬いため昔から歯科治療によく使われてきました。

しかし水銀のアレルギー性や毒性が問題となり、また物性や操作性の点からも最近では複合樹脂に取って代わられつつあります。ネックレスや指輪にも使われる貴金属といわれる金や銀・パラジウムなどにもアレルギーはあります。

歯科用金属は、口の中という大変特殊な環境におかれるためその影響については十分検討がなされ、極力影響の少ない合金のみが認可されています。
最近注目されている金属に「チタン」という金属があります。この金属は歯科のみならずメガネフレームやゴルフクラブなど多方面に使われています。また生体にもっとも親和性のある金属として 歯科用人工歯根や手足の代用骨などに使われています。


もっとも身体にやさしいものは…


歯科材料 セラミックスとは成形・焼成などの工程を経て得られる非金属無機材料のことで、陶磁器類やセメント・ガラス・煉瓦などもこの種類です。

特徴は樹脂や金属と異なり、環境ホルモンや金属アレルギーの心配はありません。この点では身体に一番やさしい歯科材料といえるでしょう。

最近ではバイオセラミックスという生体により親和性があり、かつ高精度に加工が可能なセラミックスの開発が進んでいます。しかし歯科材料をすべてセラミックスにすることは不可能です。
将来はセラミックス並みに身体にやさしい樹脂や金属の開発が待たれるところです。